プットを売っているときに急落を食らった場合の対処方法

プットを売っているときに急落をくらうと,そのプットショートは大きなショートガンマとなるので,最初にそのショートガンマを適性の範囲にしてやらなければならない。

そのための方法としてはガンマヘッジがある。

大きなショートガンマを下げるためにはプラスガンマを与えてやればよいので,コールでもプットでも買えばよい。

それらのオプション買いはどちらもプラスガンマを持っているからである。

セオリー的には急落時はコールを買うのがよい。

なぜなら,急落時はプットのプレミアムが跳ね上がっているので,プットを買うのでは割高のプットを買ってしまうからである。

ただ,コールを買うと,デルタがプラスに傾きすぎるので,コールを買う場合はデルタを適性の範囲に収めるために先物を売る必要がある。

このようにして対処しておけば,急落後にリバされても,先物を買い戻していくことによりポジションをリスクを適正に保つことができる。

もちろん,この時,先物の売りはやられにはなるが,ショートプットを持ったまま助かることを祈るよりはるかによい。

また,ごくまれに急落時にコールを買えないときがあり,リーマンショックの時や東日本大震災の時のような大きな下落時には売り物が出てこなくなる,いわゆる板が蒸発するという状況が起こる。

このような時はコールを買えないので,高いニアプット買うしかない。

プットのなかで一番ボラティリティが低くガンマが高いのがそこだからである。

ところで,プットショートを持っているときの急落時の対処としてコールを売るのはよくない。

すごい勢いで下がって短期HVが噴き上がったときにコールを売ると,2分の1ほどの確率で広がったHVを指数が駆け上がってくるので,結果的にショートコールを足して合せたデルタがマイナスに大きく振れてしまうからである。